カルダノ財団、新たな委任プログラムを発表

2023年10月14日、カルダノ財団がSPOに対する委任プログラムの大幅変更を発表しました。
これまで「開発者専用」だった選考基準を一新し、さらに委任プール数を絞ることを発表。今後、どのようなプールが選ばれるのか注目が集まります。
本校では、カルダノ財団の発表を全文翻訳にてお届けします。

カルダノ財団による、新たな委任プログラム発表【日本語版】

過去2年間、私たちの委任戦略は、著しい成長とエンゲージメントを果たして来ました。この間、私たちは7回のデリゲーション・ラウンドを実施し、エコシステムの継続的な発展と、分散化に対する私たちのコミットメントを示してきました。さまざまなプールから応募があり、その中の1,731プールが有効な応募で、そのうち454プールが最終選考に残り、各ラウンドごとに平均65のプールが最終選考に残りました。最も注目すべきは、この7つのラウンドを通じて私たちは351のプールに委任を実施したことです。このうち161がユニークなプールでした。これは、私たちの選考プロセスを支える高い基準と競争力を示しています。

私たちは、コミュニティが必要とし、オープンソースであり、エコシステムの繁栄に役立つモノを作るような人々に対する激励を続けたいと思っています。しかし、プロトコルの要件は、完全な技術スタックが展開されるにつれて常に進化します。そのため、カルダノ財団は、カルダノコミュニティをより良くサポートするために、委任の方法論を頻繁に見直し更新しています。

以下の各変更は、私たちのデレゲーション・アプローチの質と有効性をさらに向上させることを目的としている：

1. 委任期間：これまでの約3カ月という短い期間ではなく、約12カ月に移行する。委任期間が延長されることで、事業者は自らの貢献に集中することができる。
2. 委任パッケージ：委任プール数を減らし、委任サイズを拡大。委任期間の延長と組み合わせることで、セレクションの全体的な質を高め、委任先プールをより効果的に成長させ、持続させることができます。
3. 委任基準：単一プールの要件を撤廃し、選考プロセスの柔軟性を高める。この新しいアプローチは、より包括性を高めることを目的としている。
4. 選考プロセス：私たちのチームは、収集したデータと洞察に基づいてプールを厳選します。これにより、私たちの委任戦略チームの経験と、そのプールに対する徹底した理解によって、選考プロセスが進むことを保証します。
5. 期待：一方で、委任先のプールがコストを増加させたり、料金を引き上げたりした場合、私たちは委任を撤回する可能性がある。また、我々はプールを注意深く監視し、彼らがエコシステムにどのように積極的に貢献しているかを理解するために、定期的に委任先プールと関わっていく。
6. 応募方法：通常の「デレゲーション・ラウンド」から、「エクステンデッド・デレゲーション」に変更する。申請書式を1つのフォームに変更し、新しいプールや、注目に値すると思われる斬新な取り組みを行っている場合は、このフォームを使用して、プール選考に応募することができる。

さらに、カルダノ財団は独自のステークプール [CAG] を立ち上げました。私たちの資産の一部によってステークプールを維持・運営することで、トポロジー、ソースからの構築、プレリリース、ハードフォークの準備、サーバーリソース、ネットワーク帯域幅などについて、本当の理解を得ることに繋がります。この直接的な知識は、私たちの委任選考をより洗練させ、コミュニティに寄り添ったサポートを提供するために重要であると考えています。

このプロジェクトをサポートするため、私たちはウォレットアドレス全体のADAをリバランスします。私たちが管理する複数の既存ウォレットが、CAGステークプールの資金調達に貢献することになります。一方で、当財団はWRFGS（スイス）が運営するUNHCRプールに対して１年間の委任継続を行うために、私たちのウォレットの1つを引き続き使用します。pool.pmと協力し、私たちのウォレットと現在の委任12パッケージを紹介し続けます。カルダノ財団は、この新しい委任戦略に従った次の再デレゲーションラウンドが10月中旬頃に開始したいと考えています。

備考／脚注(以下の議論より）

・プールの数は46から32程度に減少。
・「将来の開発設計者を支援する」という基本戦略からの逸脱はない
（カルダノ財団の新委任手法：未来の開発設計者を支援する）
私たちは、誰にとっても重要なインフラやツール（できればオープンソース）を構築する人々を支援したいと考えています。スレッドからいくつかの例を紹介する：

The Developer Portal のようなプロジェクトに貢献するプールや、Cardano Improvement Proposals (CIP) を作成し、新しい標準を定義するための議論に参加するプール、 Cardano Stack Exchange (CSE) やCardano Forumで活動するプールを奨励したいと考えています。

私たちは、コミュニティが必要とするものを作り、オープンソースのソリューションを作り、エコシステムの繁栄を支援することを奨励したいと考えています。

• デベロッパーは、この戦略の重要な構成要素だが、支援はデベロッパーだけに限定されるものではなく、単に自分たちを富ませたり、自分たちのブランドだけを宣伝したりするのではなく、エコシステムに有意義に貢献するあらゆる事業体にも及びます。
• 「シングルプール」の要件を削除するものの、カルダノ財団が突然大規模なプール・クラスターに委任するということではありません。そして特に、財団は上位50%のステークオーナーに属するプールには委任しません。これにより、委任がチェーンの最小攻撃ベクトルを悪化させないことが保証されます。

プールに必要な最小限の技術的条件

現在、プールがデリゲーションを受けられるように、以下のようなセットアップが必要です：

• チェーン上に少なくとも2つのリレーが登録されていること。ポート番号が違うだけでなく、IPが分かれていること。dbsyncや、https://cardanoscan.io や https://adastats.net のようなインターフェイスで確認できること。
• リレーは最新バージョンのcardano-nodeを実行していること。これは、cardano-cli pingの問い合わせコマンドで確認できます。

将来的には、（これらはまだ実施されていない検討事項だが）下記の要件も検討しています：

• 少なくとも1つのリレーがp2pを有効にして動作していること。これはcardano-cli pingで確認できます。