ステーキングプール運営のメリット、デメリット【カルダノ】

カルダノ情報

知識ゼロからカルダノのステーキングプールを始めた際に記録した「ただのフリーライターがカルダノのステークプールを始めた理由」の記事では、プール構築の方法や経緯についてまとめました。
しかし、実際にプールを構築し運営を開始するには、24時間稼働するサーバーを複数用意し、Linuxを活用した構築方法を学ぶ必要があるため、それなりのお金と時間が必要となります。プール運営も投資の1つである以上、メリットとデメリットをしっかりと見極める必要があります。
そこで、一般ホルダーとしてSPOを立ち上げた経験者から見た、ステーキング運営のメリットとデメリットを紹介します。

メリット①成功すれば報酬が増える

やはり大きなポイントとしては、報酬(リワード)の増加というメリットが一番だと言えます。委任が増えてブロック生成が安定してくれば、格安の手数料設定でも保有ADA量で委任した場合より報酬が増えます。
ステーキング報酬の計算は複雑なプロセスですが、わかりやすいイメージを見つけたので紹介します。

【報酬の計算方法(こちらを参考に作成)】
まず、下記の場合を想定します。

【条件】
・委任者が1人(と運営者が1人)
・運営者と委任者のADA所有量が同じ
・あるエポックのリワード報酬の総量が「₳1340」だった場合

①エポックの成績でリワードの総量が決定
(例として総報酬:₳1340とする)
②総量から固定費を運営者に分配
(総報酬=₳1000、運営者報酬₳340)
③②の残りからマージン分を運営者に分配
(マージン5%の場合、5%=₳50→運営者報酬₳390)
④③の残りのリワードを、委任者と運営者全員で分割
(委任者と運営者が2人で同額ステーク数の場合、各₳475)
⑤④と③の合計が運営者報酬
(委任者報酬₳475、運営者報酬₳865)

このようにして考えると、小さなステークプールの場合、固定費がほぼ大きなウェイトを占めているようです。運営者報酬はこのように計算されますが、さらに計算しやすいように、マージンを0%、最低固定費₳340として「最低固定費だけで、どれだけの報酬になるか」を考えてみます。

【マージン0%、固定費が1エポックあたり₳340の場合】
・1ADA=100円の場合 固定費340ADA=約34,000円   →月20,4000円相当の追加報酬
・1ADA=300円の場合    固定費340ADA=約10,2000円 →月612,000円相当の追加報酬
(*一月あたり6エポックとして計算)

あくまで毎エポックで1ブロックを生成できる(委任料が₳300万以上)場合、2021年8月23日現在の価格基準である300円で61万円の固定費を受け取ることができます。現在はレートが上がり、平均年収を大きく超える利益になる計算となっています。
一般的なクラウドサーバーのコストが月間で3〜4万円弱程度(年間40万程度)なので、「ADAレートが持続し継続的にブロック生成できれば」利益率は非常に高いと言えそうです。

メリット②カルダノのコミュニティの「メンツの凄さ」がわかる

長期ホルダーにとって最も大切なこととして、「投資先がちゃんと稼働しているか」は非常に重要な指標となります。
プール運営者として参加することで、同業者プールの方々と繋がりを持ち、最新情報に直に触れる機会を増やすことで、「コミュニティの健全さ」を常にチェックすることができます。
個人的な感触としては、プール運営を通して「カルダノコミュニティの人たち、凄すぎ! 親切すぎ!」と、握力が猛烈に強まりました。
カルダノの「プール運営者」となってみると、国内外のエース級の先輩たちと簡単に繋がることができ、助け合いの精神に満ちていることに気付かされます。
さらに、カルダノコミュニティでは、単純なアドバイスだけでなく有志が独自開発したツールを他のプールに無料で共有しており、そのツールがとてつもなく便利で、運営者たちの必須アイテムになっています。

SPOの多くが使う「gLiveView」は、有志が開発したツール

↑プール運営者が使う「gLiveView」というツールは、「AHLNET」を運営するOla Ahlman氏が開発し無料公開しています。SPOは足を向けて寝られません……。
そのほか、現在のカルダノのステーキングプールの状況を分析できる「pooltool」や「adapools」、「pool.pm」などのWebサイトは、すべて有志たちの手によるサービスです。このほかにも多数のツールがプール運営者によって開発・共有され、すべてプール運営者全員の助けとなっています。
このようにカルダノコミュニティには「自分の利益を度外視したオープンな空気感」があり、イチホルダーとしての握力も大きく強まりました。

メリット③Linuxの知識が(嫌でも)身につく

これは当然ですが、プール運営にはLinuxの知識が必須なので、プール構築だけでなく、さまざまな手続きでひたすらコマンドを入力します。
ダイダロスウォレットでは、ADAを送る際はアドレスとパスワードを打つだけで、1分とかからず送金することができます。
その一方、ステーキングプールから送金する場合は、1つ1つのプロセスをコマンドで行う上に、一度オフラインのPCを介した作業まで発生するため、送金手続きだけでも結構な手間がかかります。
そのため、通常稼働しているだけで嫌でもLinuxの知識が身につきます。
将来、もしかするとプール運営以外でも、役に立つことがあるかもしれません。

デメリット①委任が少ないとリワードが保証されない

大きなリワードが期待できることがメリットの一番手でしたが、リワードが入らなければ赤字になってしまうデメリットがあります。
まず、初期コストの回収には2エポック分のブロック生成が必要です。ステークプールを開設するには、登録料としてカルダノブロックチェーンに₳500収める必要があります。これは₳1=100円換算で言えば約5万円。うまくいくかわからない個人の新規参入としては、かなりハードルが高い費用です。
リワード報酬の増加が見込めるプール運営ですが、委任量が「₳1M以下」の場合、「ブロック生成ゼロ」つまり報酬ゼロとなるエポックの確率が高くなります。
「ホルダーとして委任していれば、毎回ちゃんと報酬が入るのに……」と、どうしてもプール運営のモチベーションが下がる一因となってしまいます。
通常のホルダーであれば、信頼できるプールに委任すれば、あとは放置しているだけで効率よくリワードを得ることができます。一方、小さいプールの運営者の場合は常に「今回は報酬ゼロになるんじゃないか」という恐れがつきまといます。
サーバーは動いているのに報酬がゼロということになれば、プール運営のコストは最低ラインでおよそ月間2〜3万円なので、ADA=100円の場合、1ヶ月に1ブロック以上は生成しないと赤字になるリスクを負います(レートが上がり以前より損益分岐点が下がりました)。
これが難しくなると、プール撤退も視野に入ってしまいます。
ちなみに、CoffeePoolは現在2基のリレーサーバー&1基のBPサーバーで稼働していますが、月間で約7万円程度のコストがかかっています。スマートコントラクトが実装後は、更なるコスト増加が予想されています。
また、価格が上がり難易度が下がったものの、ADAの取得単価も高くなったため安定したブロック生成を行う委任量である「₳200〜300万」を集めることが困難になってきています。
ホールド量によっては、ホルダーとしてステーキングをする方が安定する可能性も十分にあります。

デメリット②ハマると時間が無尽蔵に消費される

プール運営は、良くも悪くもLinuxとの戦いです。いったんエラーにハマると、解決するまで放り出すことができません。
クラウドサーバーの場合、一度サーバーを起動させると有料になるので、焦って立ち上げようとしてまたエラーにハマる、という負のスパイラルに陥ってしまうことも。
LinuxやPCの扱いに長けた人であれば苦にならない作業でも、普通の一般ユーザーにとってはかなりの苦行になる可能性があります。
PCが苦手と感じる方の場合は、プール維持に膨大な時間を消費し「努力対効果が薄い」と感じるかもしれません。
日常の仕事などの合間に構築する場合は、ある程度シュミレートをしておいた方がいいかもしれません。ちなみにですが、私の場合は
入門者のLinux 素朴な疑問を解消しながら学ぶ」(奈佐原顕郎 著、講談社)
が、Linux初心者にわかりやすくとても役に立ちました。未経験から初めてみたいという方は、ぜひ読んでみてください。

デメリット③GOXのリスクがある

これは暗号通貨すべてに共通する問題ですが、オペレーティングに慣れていないとGOXするリスクが生じます。
ダイダロスやヨロイウォレットは、優れたUIで資産管理できるソフトウェアですが、ステーキングプールの場合、自身で気をつけなくてはいけない要素が増えます。
通常のホールドと同様、運営用のキーファイルの盗難や管理ミスで誓約金を失ってしまうリスクがあります。
また、暗号鍵を保存した端末をしっかりとオフラインで管理しないとハッキングに合うリスクがあり、実際にハッキングされた事例もTwitterなどで報告されています。

Hey Micheal, thanks for the question. The answer is security. An SPO recently had 600k stolen from his pledge. So we wanted to minimize risk by transferring to our Daedalus wallet and staking to the pool from there. We are still very committed to this pool for the longterm 1/2

— Ad Astra Stake Pool |ASTRA| (@AdStake) December 16, 2020


「急に誓約金が下がったけど、どうしたの?」
「質問ありがとう! あるプールが600K分のADAを盗まれたらしく、リスクを下げるためにプレッジ金額をダイダロスに動かしたんだ」ーASTRA(coffeepool和訳)

このように、プール運営者は、さまざまなメリットとデメリットの両面に向き合いながら、日々のブロックを生み出しています。
これらの要素をしっかりと天秤にかけて、ご自身の投資スタイルにあった方法でADAのステーキングを楽しみましょう!

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本稿はカルダノステークプール「CoffeePool☕️」が作成しました。
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NAME:CoffeePool☕️
Ticker:COFFE
[COFFE] CoffeePool️
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NAME:CardanoKissa☕️
Ticker:KISSA
[KISSA] CardanoKissa☕️
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