「カルダノ憲法」を、憲法委員の日本語訳で読む

カルダノ情報

カルダノ憲法委員(ICC)、SPO(ステークプールオペレータ)、そしてフリーランス編集者である管理人が、2024年12月5日にブエノスアイレス(アルゼンチン)で認定されたカルダノ憲法(Cardano Constitution)を全集中で翻訳!「世界一読みやすい日本語訳」を目指してお届けします。

カルダノ・ブロックチェーンエコシステム憲法

序文

カルダノは、ブロックチェーン技術、スマートコントラクト、コミュニティガバナンスの分散型エコシステムであり、あらゆる場所にいる、すべての人のための経済、政治、社会システムの改善に取り組むことを目的とする。この基盤となるインフラストラクチャを提供することで、カルダノは個人やコミュニティに対し、アイデンティティ・価値・ガバナンスを管理できる力を与え、分散化されたアプリケーションやビジネス、そしてネットワーク状態の発展を促進する。
私たちカルダノコミュニティ(個人、組織、貢献者その他で構成される)の参加者は、変更不可能なデータを公平に処理することを通じ、デジタル技術を通じてコミュニティの絆を最初に築いた初期のインターネットおよび暗号通貨の先駆者の足跡をたどることを選択する。我々は、分散型の意思決定と説明責任を両立させ、カルダノブロックチェーンのセキュリティを守り自己統治を実践するという、私たち共通の原則と信念に基づいて行動する。

伝統的な国民国家のガバナンスシステムに依存せず、またそれを前提ともせず、カルダノコミュニティによるガバナンスに由来した統治プロセスにおいて、可能かつ有益である限りにおいてブロックチェーン技術を活用する、より強固で柔軟な統治フレームワークの必要性を認識し、私たちは、カルダノブロックチェーンエコシステムを統治し、カルダノブロックチェーンの継続性を確保し、カルダノブロックチェーンを利用する人々の権利を守るために、ここに本カルダノ憲法を制定する。

これらの目的を念頭に置き、私たちカルダノコミュニティは、カルダノブロックチェーンにおけるエコシステムのガバナンスに参加するために、この憲法に従う意思を表明する。また、私たちの価値観を共有するすべての人々の参加を歓迎すると共に、私たちは別の道を歩みたい人々を妨げることもしない。

第1条 カルダノブロックチェーンの原則とガードレイル

1

以下の原則は、憲法委員会を含むカルダノコミュニティにおけるすべての参加者の指針とするものであり、提案されるガバナンスアクションはこれらの原則に基づいて評価されるものとする。なお、以下の原則の順序は、それらの優先順位を示すものではない。

原則1 カルダノブロックチェーン上のトランザクションは、遅延や検閲を受けることなく、意図された目的のために迅速に処理されるべきである。
原則2 カルダノブロックチェーン上のトランザクションコストは、予測可能であり、不合理であってはならない。
原則3 カルダノブロックチェーン上でアプリケーションを開発および展開しようとする者は、その目的を妨げられてはならない。
原則4 カルダノ・コミュニティによるカルダノブロックチェーンへの貢献、すなわちステークプールオペレーター(SPO)に対する報酬配分や、将来的な委任代表者(DRep)と憲法委員会(CC)メンバーに対する補償などについては、適切なトークノミクスを通じて、公平に認識され、記録され、評価されなくてはならない。
原則5 カルダノブロックチェーンは、ADA所有者の同意なくADAの価値またはデータをロックしてはならない。
原則6 カルダノブロックチェーンは、相互運用性を不合理に妨げてはならない。
原則7 カルダノブロックチェーンは、そのチェーン上に保存された価値および情報を安全に保持しなければならない。
原則8 カルダノブロックチェーンは、不合理にリソースを消費してはならない。
原則9 カルダノブロックチェーンのすべての利用者は、カルダノブロックチェーン・コミュニティの総意である、長期的な持続可能性および実行可能性と一致する形で、公平かつ公正に扱われるべきである。
原則10 財政的安定性は維持されなければならず、ADAの総供給量は450億(45,000,000,000,000,000 lovelace)を超えてはならない。

2

カルダノブロックチェーンは、本憲法の付録である「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス(Cardano Blockchain Guardrail Appendix)」に定められたガードレイルに従って運営されるものとする。カルダノコミュニティは、必要に応じて特定のガードレイルをデジタル化し、それらをオンチェーンガードレイルスクリプトまたは組み込み台帳ルールを使用することによって、カルダノブロックチェーン上に直接プログラムおよび実装することができる。
「カルダノブロックチェーンガードレイル・アペンディクス」に定められたガードレイルと、カルダノブロックチェーン上にプログラムされ実装されたガードレイルとの間に矛盾が生じた場合、オンチェーン・ガバナンスアクションに従って置き換えまたは修正されるまでの間、カルダノブロックチェーン上に直接展開されたガードレイルのバージョンが優先される。憲法委員会は、適切なオンチェーン・ガバナンスアクションを奨励することで、このような矛盾を調整するよう努めるものとする。

第2条 カルダノブロックチェーン・コミュニティ

1

カルダノブロックチェーンの利用、参加、利益享受に際して、正式な会員資格は必要としない。その代わり、ADAの所有者、開発者、構築者、およびカルダノブロックチェーンのサポート、維持、利用をする者はすべて、カルダノコミュニティの参加者とみなされ、カルダノブロックチェーン・エコシステムの受益者とみなされる。したがって、カルダノコミュニティのすべての参加者は、本憲法の受益者であり、その権利、恩恵、保護を受ける資格があり、また、本憲法を支援し、維持することが期待される。

2

ADAを保有するカルダノコミュニティの参加者は、カルダノブロックチェーンエコシステムにおけるオンチェーンの意思決定プロセスにアクセスし、参加する権利を有する。これには、カルダノブロックチェーンに関するオンチェーンのガバナンスアクションへの投票および発議が含まれる。

3

カルダノコミュニティは、本憲法に従い、カルダノブロックチェーンを運営し、カルダノブロックチェーンのガバナンス活動に参加し、公平かつ透明な方法で紛争を解決することにより、カルダノブロックチェーン・エコシステムの完全性を維持する責任を有する。

4

カルダノコミュニティは、本憲法の規定に基づき、カルダノブロックチェーンのためのアプリケーションの開発と維持における協力や、カルダノブロックチェーン・エコシステムを支援するために必要または適切と判断される一時的または恒久的な組織、団体、その他の法人を設立する権利を持ち、それらの行動は奨励される。

第3条 参加型および分散型のガバナンス

1

カルダノブロックチェーンは、意思決定を促進し透明性を確保するために、可能かつ有益な範囲で、スマートコントラクトおよびその他のブロックチェーンベースのツールを活用した1つの分散型のオンチェーン・ガバナンスモデルによって統治されるものとする。ガバナンスアクションに関するオンチェーン投票は、本憲法および「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に記載されたプロセスに従うものとする。オンチェーン・ガバナンスアクションは、「カルダノブロックチェーン・ガードレイル」に定められた1つの合意形成の閾値要件を満たす集団的な意思決定プロセスを通じて実行されるものとする。

2

カルダノブロックチェーンの抑制と均衡を確保するため、委任代表者(DRep)たちステークプールオペレーター(SPO)たち、そして憲法委員会(CC)という、それぞれ独立した3つのガバナンス機関がオンチェーン・ガバナンスアクションの投票に参加するものとする。

3

すべてのADA所有者は、本憲法および「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に定められたとおり、オンチェーン・ガバナンスの意思決定プロセスにおける投票権を有する。また、すべてのADA所有者は、ガードレイルに従い、カルダノブロックチェーン・エコシステムのガバナンス構造に対する変更を提案する権利を有する。第三者のカストディアンやその他の代理人に自身のADAを保有させているADA所有者は、その第三者に対し、自らに代わって投票を行う権限を与えることも、またその権限を与えないこともできる。

4

チェーン上の特殊なガバナンスアクションである「Info(インフォ:情報)アクション」は、カルダノコミュニティが将来のチェーン上のガバナンスアクションの可能性を提案し、カルダノブロックチェーンに対するチェーン上の変更を行うことなくコミュニティの意見を把握するために存在する。この「Infoアクション」は、カルダノブロックチェーンに記録されることを除き、他にチェーン上の効果を有しない。第7条第4項に従い、「Infoアクション」は、提案されたカルダノブロックチェーン・エコシステムの予算およびカルダノブロックチェーン・トレジャリーからの資金引き出しに関連しても使用される。

5

オンチェーン・ガバナンスのプロセスにおける透明性を促進するため、すべての提案されたガバナンスアクションは、オンチェーンに記録または実行される前に、標準化され、かつ判読可能な形式に従うことが求められる。これには、カルダノブロックチェーンに記録される、すべてのオフチェーン上の関連コンテンツのURLおよびハッシュが含まれる。また、提案されたカルダノブロックチェーンへの変更を正当化するために十分な論拠(Rationale)が提供されなければならない。この論拠には、少なくともタイトル、要旨、提案の理由、および関連する補足資料が含まれるものとする。
すべてのオンチェーン・ガバナンスアクションの内容は、提案されたアクションの最終的なオフチェーン版の内容と、完全に一致していなければならない。
「ハードフォーク実行」および「プロトコルパラメータの変更」に関するガバナンスアクションは、カルダノブロックチェーンのセキュリティ、機能性、パフォーマンス、または長期的な持続可能性を損なわないことを保証するため、ガードレイルで義務付けられた十分な技術的な審査および精査を受けなければならない。
オンチェーン・ガバナンスアクションは、カルダノブロックチェーン・エコシステムに対する予想される影響を明確に示すべきである。
すべてのADA所有者は、オンチェーン・ガバナンスアクションに対する参加、提出、および投票に関するプロセスに対し、それが開かれた透明性を備え、不当な影響や操作から保護されていることを確認する権利を有する。

6

カルダノコミュニティは、本憲法を実効性のあるものとするため、必要に応じてオフチェーンのガバナンスプロセスの構築・維持および継続的な運営を支援することが期待されるとともに、カルダノブロックチェーンに関するすべての将来のガバナンスアクションについて、認識の浸透、議論、そして機会の確保に取り組むことも期待される。

第4条 カルダノブロックチェーン予算

1

カルダノコミュニティのすべての参加者は、いつでもカルダノブロックチェーン・エコシステムの予算を提案することができる。カルダノコミュニティは、カルダノブロックチェーン・エコシステムの継続的な運営、維持および将来の発展、そして本憲法で規定される分散型オンチェーン・ガバナンスプロセスの実施・管理・維持に関連するその他の費用をまかなうために、定期的に1つまたは複数の予算を提案することが期待される。カルダノコミュニティは、カルダノブロックチェーン・エコシステムのために1つの総合的な予算の提案することも、複数の予算を提案することもできる。これらの予算は、73エポック(約1暦年)以上の期間をカバーすることが期待されるが、カルダノコミュニティがより短期または長期にわたる予算を提案することを妨げるものではない。すべてのADA所有者は、オンチェーンの「Infoアクション」を通じて、定期的に1つまたは複数のカルダノブロックチェーン・エコシステムの予算を承認することが期待されている。本第4条第3項で規定されているとおり、カルダノブロックチェーンのエコシステム予算や、現在有効な予算を実行するために、必要に応じて、カルダノブロックチェーン・トレジャリーから資金を引き出すことができる。既存の予算は、この第1項に規定された同じプロセスに従って修正することができる。

2

カルダノブロックチェーン・エコシステムの予算の作成およびその管理には、意思決定を促進し透明性を確保するために、可能かつ有益な範囲でスマートコントラクトやその他のブロックチェーンベースのツールを活用するものとする。カルダノブロックチェーン予算には、カルダノブロックチェーン・トレジャリーから引き出した資金の使用を監督するためのプロセスが明記されるものとし、監督の責任を負う1人または複数の管理者を指定することを含むものとする。

3

カルダノブロックチェーン・トレジャリーの残高が、その時点で適用されている純変動限度額(net change limit)を超過する場合は、資金の引き出しは許可されない。カルダノブロックチェーン・トレジャリーからの資金引き出しは、カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクスで要求される、その時点で有効なカルダノブロックチェーン予算に基づいて承認されているものであり、かつ、憲法委員会によって違憲と判断されていない場合にのみ許可されるものとする。

4

カルダノブロックチェーン・トレジャリーからADAを要求するすべてのガバナンスアクションは、その資金要求の一部において、ADAの使用状況に関する定期的な独立監査費用と監督指標の実施費用をまかなうためのADAを割り当てることが求められる。カルダノブロックチェーン・エコシステム予算に基づいてカルダノブロックチェーン・トレジャリーから受け取るADAの使用に関する契約上の義務には、紛争解決条項が含まれるものとする。

5

カルダノブロックチェーン・トレジャリーから引き出され、管理者によって直接または間接的に保持されたADAは、分配前にカルダノコミュニティが監査可能な1つ以上の独立したアカウントに保管されなければならず、これらのアカウントはステークプールオペレーター(SPO)に委任してはならず、事前定義された投票オプション『自動棄権』に委任しなければならない。

第5条 委任代表者(DRep)

1

ADA所有者は、ガバナンスアクションに参加するために、「DRep(委任代表者)」として登録し、自らガバナンスアクションに直接投票することができるほか、他の登録済みのDRepに投票権を委任し、代理で投票してもらうこともできる。

2

ADA所有者は、DRep(委任代表者)として登録する選択肢を持つものとする。また、ADA所有者は、登録済みのDRepに対し、自分自身を含む1人または複数のDRepに投票ステークを委任することが許される。DRepは、個人でも、組織化されたグループであってもよい。第三者のカストディアンやその他の代理人にADAを保持させているADA所有者は、その第三者に対して、所有者に代わって登録済みのDRepに投票権を委任する権限を与えることも、またその権限を与えないこともできる。DRepたちは、オンチェーン・ガバナンスアクションに対して直接投票を行い、投票権を委任したADA所有者を代表する権利を有する。DRepの投票における閾値は、「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に定められている。
この投票システムは、ADA所有者がDRepを自由に選択し、DRepとして登録し、いつでも委任を撤回または変更できる「流動民主主義」モデルによって成立するものとする。

3

DRepは、委任者を代表する者として、自身の活動を規範化する行動規範を定期的に策定して、これを適宜更新すること、そしてこれを公表することが期待される。また、DRepには、その行動規範に倫理指針を含めることが推奨される。

4

カルダノコミュニティは、ADA所有者がDRep候補を検索し選別したり、DRepの行動規範を閲覧し評価するなど、ADA所有者が適切と判断する基準に基づいてDRepを選択できるようにするためのツールを作成、維持、および継続的に運用することを支援することが期待される。

5

委任者を代表するDRepは、その活動に対して補償を受けることが認められる場合がある。DRepは、自らの活動に関連して受け取ったすべての補償を開示する責任を負う。

6

DRepは、ADA所有者またはその代理人からDRepに指名されること、あるいはそのADA所有者または代理人に代わって投票を行うことを条件として、ADA所有者またはその代理人に対して補償を支払ってはならない。

第6条 ステークプール・オペレーター(SPO)

1

SPOは、追加的な監視と独立性を必要とする重要なチェーン上のガバナンスアクションを承認するにあたり、「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に定められているとおり、DRepとは分離かつ独立して投票を行うという特別な役割を持つ。SPOは、カルダノブロックチェーンのコンセンサスメカニズムに参加するノードの運営者として、ハードフォーク実行プロセスに参加する。

2

SPOたちは、「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」第2条1項に規定された通り、「不信任動議」や「委員会/閾値の更新および任期の更新」のガバナンスアクション、ならびにブロックチェーンの運営においてセキュリティ上重要なパラメータに影響を与える「パラメータ更新」のガバナンスアクションに対し、独立して投票することにより、これらの例外的な状況下で憲法委員会の権力を抑制する役割を果たすものとする。

3

SPOは、自らの活動を規範化する行動規範を策定し、それを定期的に見直し、更新して公開することが推奨される。またその行動規範には、倫理指針を含めることが推奨される。

4

SPOであり、かつDRepとして行動するADA所有者は、オンチェーンのガバナンス権を行使する前に、両方の立場でオンチェーン・ガバナンスアクションに参加していることを公表しなければならない。

第7条 憲法委員会

1

憲法委員会は、カルダノのオンチェーン・ガバナンスプロセスの一部として設立され、オンチェーンで実行されるガバナンスアクションが本憲法と整合していることを保証する役割を担う。憲法委員会は、ADA所有者の中から選ばれたメンバーで構成され、オンチェーンで実行される前のガバナンスアクションが憲法に準拠していることを集団的に確認する責任を負うものとする。本第7条4項で特に規定される場合を除き、憲法委員会の役割は、オンチェーンで実行されるガバナンスアクションの合憲性に関する投票に限定されるものとする。憲法委員会のメンバーは、カルダノブロックチェーン・エコシステムへの過去の貢献や関与を考慮し、その責務を遂行するために適切な専門知識を有していることが期待される。

2

憲法委員会は、カルダノブロックチェーンの継続的な完全性を確保するために十分な人数のメンバーで構成され、その人数はADA所有者によって随時決定されるものとする。憲法委員会の最少および最多のメンバー数は、「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に定められた最少および最多のメンバー数と一致していなければならない。

憲法委員会のメンバーは、ADA所有者によって随時決定される任期を務めるものとし、その任期は「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に定められた最短および最長の任期と一致していなければならない。憲法委員会の運営の継続性を確保するため、憲法委員会メンバーの任期はずらして設定されるものとする。

3

カルダノコミュニティは、憲法委員会のメンバーを選出するためのプロセスを、ガードレイルの要件に従って随時策定し、公表するものとする。

4

「不信任動議」または「憲法委員会/閾値および/または任期の更新」以外のガバナンスアクションは、ガードレイルで規定された必要最低限の憲法委員会メンバーの割合がオンチェーン・アクションを通じて、その提案が「本憲法に違反していない」と確認し承認しない限り、オンチェーンで実施してはならない。各憲法委員会メンバーは、1票の投票権を有する。
Infoアクション はオンチェーンにおける効果を持たないため、合憲にも違憲にもならない。そのため、憲法委員会のメンバーが Infoアクション のオンチェーン記録を妨げることはできない。ただし、憲法委員会のメンバーは、オンチェーンで投票を記録し、その Infoアクション に関する自身の見解を表明することができる。これには、「その Infoアクション による提案が仮にオンチェーンメカニズムによって実施された場合、憲法違反となると考えられるか否か」が含まれる。
カルダノブロックチェーン・エコシステムの予算を提案する Infoアクションについては、憲法委員会のメンバーは、提案された予算が Infoアクション に記載された形式で実施された場合に、本憲法との合憲性をオンチェーンで記録しなければならない。また、既に承認された予算に基づく資金引き出しを提案する Infoアクションについても、憲法委員会のメンバーは、その資金引き出しが憲法に違反するか否かをオンチェーンで記録しなければならない。

5

憲法委員会は、常に「信任状態」または「不信任状態」のいずれかにあるものとする。不信任状態の場合、憲法委員会の現職メンバーは、他のオンチェーン・ガバナンスアクション(Infoアクションを除く)を進める前に、「委員会/閾値および/または任期の更新」ガバナンスアクションによって再任されるか、新しいメンバーに交代されなければならない。不信任状態において、予算提案やトレジャリー引き出し以外の Infoアクション はオンチェーンに記録可能である。
憲法委員会内のあるメンバーが本憲法で規定された責務を果たしていない場合、SPOおよびDRepがそれぞれ独立して投票を行う「委員会/閾値および/または任期の更新」ガバナンスアクションを通じ、ガードレイルで定められた必要な割合の賛成を得た場合、そのメンバーはガバナンスアクションの実施をもって除名されるものとする。除名後は、速やかに新しいメンバーを選出するための選挙が実施されなければならない。
憲法委員会の全メンバーを同時に解任する「不信任動議」ガバナンスアクションが、DRepおよびSPOによるガードレイルで定められた必要な割合の賛成を得て承認された場合、そのガバナンスアクションの実施をもって、憲法委員会は不信任状態とみなされる。この状態は、全体または一部の現職メンバーを再任するか、新しい憲法委員会メンバーを選出するための選挙が行われるまで続くものとする。

6

憲法委員会のプロセスは透明でなければならない。憲法委員会は、各決定を公表しなければならない。オンチェーンで実行される提案されたガバナンスアクションが違憲であると投票する場合、憲法委員会全体として、またはそのような投票を行った委員会メンバーは、該当する提案と矛盾する本憲法の具体的な条項や「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」の規定を参照して、その決定の根拠を公表しなければならない。ただし、投票を行う前に行われる憲法委員会メンバー間の内部協議については、公に開示する義務はないものとする。
憲法委員会は、憲法委員会が定期的に採用し公表する行動規範に従って運営されるものとする。憲法委員会には、その行動規範に倫理指針を含めることが推奨される。また、憲法委員会は、その責務を遂行するために必要と判断される方針や手続きを定期的に採用し、公表しなければならない。

7

カルダノコミュニティは、憲法委員会がその必要な機能を果たすために必要かつ適切とされるツールを作成し、それを維持し、継続的に運用を支援することが期待される。

8

憲法委員会のメンバーは、憲法委員会のメンバーとしての活動に対する努力の対価として補償を受けることができるものとする。憲法委員会のメンバーは、自身の活動に関連して受け取った補償を開示する責任を負うものとする。カルダノブロックチェーン・エコシステムの予算には、ADA所有者によって随時承認される金額で、憲法委員会メンバーに補償を行うために十分な金額をカルダノブロックチェーン・トレジャリーから割り当てることが含まれる場合がある。カルダノブロックチェーン・エコシステム予算には、憲法委員会が随時要請し、ADA所有者によって承認された金額の範囲で、憲法委員会の定期的な管理費用が含まれるものとする。

9

DRep、SPO、またはその両方として行動する憲法委員会のメンバーは、オンチェーンのガバナンスに関する投票を行う前に、複数の立場でオンチェーンのガバナンスに関する行動に参加していることを公表しなければならない。

第8条 憲法の改正プロセス

1

本憲法は「生きた文書」として扱われるべきである。技術の進歩、カルダノコミュニティの要望、ニーズ、期待の変化や、予期せぬ状況の発生により、将来的に本憲法を改正する必要が生じる可能性がある。カルダノコミュニティは、本憲法の条項を定期的に見直し、議論することが推奨され、必要に応じて、カルダノコミュニティが適切と判断するフォーラムに集まり、改正を提案することが奨励される。改正は、本第8条に規定される方法で行われるものとする。

2

「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に別途規定されている場合を除き、本憲法およびカルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクスの改正は、集団的な意思決定プロセスを通じて承認されなければならない。このプロセスでは、投票時点でのADA所有者によるアクティブなステーク量の65%以上の承認を得るオンチェーン・ガバナンスアクションが必要とされる。

3

「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」において、特定のガードレイルに対する改正の閾値が、本憲法第8条第2項に規定された改正の閾値と異なる場合、そのガードレイルに対する改正の閾値としては、「カルダノブロックチェーン・ガードレイル・アペンディクス」に記載された閾値が適用されるものとする。

アペンディクス 1 カルダノブロックチェーン・ガードレイル

1. はじめに

カルダノブロックチェーンのオンチェーン・ガバナンスを実現するには、カルダノブロックチェーンが安全かつ持続可能な形で運営を続けられるようにするための適切なガードレイルを確立することが必要である。
本アペンディクスでは、プロトコルパラメータの変更やトレジャリーからの資金引き出しの制限を含む、カルダノブロックチェーンのオンチェーン・ガバナンスアクションに適用されるべきガードレイルを定める。これらのガードレイルには、設定に関する必須かつ内在する制限と、経験、測定、およびガバナンス目標に基づく推奨事項の両方が含まれる。
これらのガードレイルは、カルダノブロックチェーンの運営における予期せぬ事態を回避するために設計されている。また、適切なパラメータ設定の選択を導き、安全性、性能、機能性、または長期的な持続可能性に関する潜在的な問題を回避することを目的とする。以下に説明するように、これらのガードレイルの一部は自動化が可能であり、オンチェーンのガードレイルスクリプトや組み込みの台帳ルールを通じて実施されるものとする。
これらのガードレイルは、カルダノブロックチェーンのレイヤー1メインネット環境にのみ適用されるものである。テスト環境やカルダノブロックチェーンソフトウェアを使用する他のブロックチェーンには適用を意図したものではない。
カルダノブロックチェーンのすべてのパラメータが独立して考慮できるわけではない。一部のパラメータは、他の設定と内在的に相互作用する。既知の相互作用については、本アペンディクスで対処している。本アペンディクスに記載されているガードレイルは、現時点での技術的洞察に基づいて反映されているが、本アペンディクスは「生きた文書」として扱われるべきである。カルダノブロックチェーンにおける実装の改善、新しいシミュレーション、または性能評価の結果によって、ガードレイルに含まれる制約の一部が将来的に緩和される(あるいは場合によっては強化される)可能性がある。
また、たとえば新しいプロトコルパラメータが導入される場合には、追加のガードレイルが必要になる場合もある。

ガードレイルの改正、追加、または廃止

本アペンディクスに記載されたガードレイルは、本アペンディクスに定められた適用可能な投票閾値を満たすオンチェーン・ガバナンスアクションに基づき、適宜改正することができる。ガードレイルに対するいかなる改正も、新しいガードレイルの導入を含め、本憲法自体の改正とみなされ、またそのように扱われるものとする。各ガードレイルには固有のラベルが付与されている。ガードレイルの文章が改正された場合、既存のガードレイルは廃止され、新しいラベルが本アペンディクス内で使用される。同様に、あるガードレイルが完全に廃止される場合、そのラベルは将来再利用されることはない。いかなる場合も、ガバナンスアクションに適用されるガードレイルは、その後の修正に関わらず、そのガバナンスアクションがオンチェーンに提出された時点で有効なガードレイルが適用される。

用語および指針

Should / Should not(~すべき / すべきでない)
本アペンディクスにおいて、ある値が「~すべきでない(should not)」または「~すべき(should)」と記載されている場合、それはガードレイルが推奨事項または指針であることを意味する。この値については、カルダノコミュニティによって認められた適切な専門家グループが、カルダノブロックチェーンのガバナンスシステムやブロックチェーンの運用経験に基づき、議論や変更を行う余地がある。

Must / Must not(~しなければならない / してはならない)
本アペンディクスにおいて、ある値が「~しなければならない(must)」または「~してはならない(must not)」と記載されている場合、それはガードレイルが遵守すべき要件であることを意味し、可能な限りカルダノブロックチェーンの台帳ルール、型、またはその他の組み込みメカニズムによって強制される。この要件が守られない場合、プロトコルの故障、セキュリティ侵害、またはその他の望ましくない結果を引き起こす可能性がある。

ベンチマーク(Benchmarking)
「ベンチマーク」とは、設計段階での評価として先験的にシステム全体の性能を慎重に測定することを指す。例えば、すべてのケースにおいて、必要な5秒の時間内に95%のブロックがカルダノブロックチェーンのグローバルネットワーク上で拡散されることを確認するなどである。この評価には、特定のテストワークフローの設計や、大規模なテストネットワークを用いた実験が必要となる場合がある。

パフォーマンス分析(Performance analysis)
「パフォーマンス分析」は、理論的な性能予測、実験的なベンチマーキング、またはシミュレーション結果を活用して、実際のシステム動作を推測することを指す。例えば、制御されたテスト環境(既知のネットワーク特性を持つデータセンター群など)で得られたパフォーマンス結果を外挿(extrapolation)し、実際のカルダノブロックチェーンネットワークでの挙動を予測する。

シミュレーション(Simulation)
「シミュレーション」は、性能や機能に関する意思決定を支援するために、仮想環境でシステム動作を再現することを指す。例えば、カルダノブロックチェーンの IOSim モジュールは、ネットワークスタックの動作を制御された環境で模擬し、コードの本番適用前に潜在的な問題を検出することを可能にする。

パフォーマンス・モニタリング(Performance Monitoring)
「パフォーマンス・モニタリング」は、カルダノブロックチェーン・ネットワークの実際の挙動を測定することを指す。例えば、往復時間(ラウンドトリップタイム)を評価するためのタイミングプローブの使用や、ネットワーク全体の健全性を評価するためのテストブロックの利用などが含まれる。これは、シミュレーションや理論的分析では得られない、実際の運用環境におけるデータを提供することで、ベンチマーキングやパフォーマンス分析を補完する。

変更の巻き戻し(Reverting Changes)
パフォーマンス・モニタリングにより、適用された変更後のネットワーク挙動がカルダノブロックチェーンの性能要件と一致しないことが判明した場合、可能であればその変更を元の状態に戻さなければならない。例えば、ブロックサイズを100KBから120KBに増加させた結果、95%のブロックが5秒以内に拡散されなくなった場合、ブロックサイズを100KBに戻す必要がある。それが不可能な場合は、性能要件を満たすための代替的な変更を行わなければならない。

深刻度レベル(Severity Levels)
カルダノブロックチェーン・ネットワークに影響を与える問題は、以下のような深刻度レベルに分類される。
•深刻度1(Severity 1):カルダノブロックチェーン・ネットワークのセキュリティ、パフォーマンス、機能性、または長期的な持続可能性に対して、極めて高い影響を及ぼす重大なインシデントまたは問題。
•深刻度2(Severity 2):カルダノブロックチェーン・ネットワークのセキュリティ、パフォーマンス、機能性、または長期的な持続可能性に対して、大きな影響を及ぼす主要なインシデントまたは問題。
•深刻度3(Severity 3):カルダノブロックチェーン・ネットワークのセキュリティ、パフォーマンス、機能性、または長期的な持続可能性に対して、軽微な影響を及ぼす小規模なインシデントまたは問題。


【2025年3月6日更新分はここまで】

随時、翻訳を更新していきます!

最新の「カルダノ憲法草案」の原文はこちらから。
カルダノのガバナンスの仕組みについてはこちら→DRepってなに? カルダノのガバナンス総まとめ!

この「日本語版のカルダノ憲法草案」は「確かなクオリティと読みやすさ」を重視し、少しずつ翻訳を進める、プロジェクト形式のドキュメントであり、今後このページを更新しながら完成を目指します
おそらくコミュニティからも日本語訳が登場すると思いますが、最も読みやすく原文の意図を組み込んだ日本語訳をコミュニティに提供するため、また日本語訳の分散化を目的として、あえてCoffeePool独自の翻訳を進めていきます。

【翻訳者紹介!】
hix_coffeepool」は、カルダノ憲法委員(Cardano Japan)、ステークプールオペレータ(SPO)、そしてDRep [hix_coffeepool] として、多方面でカルダノ・コミュニティに貢献すべく活動しています。
またオフチェーンでは、イギリスの国立大学を卒業した後、大手出版社を含む複数の出版社にて、ビジネス書、翻訳書、語学学習書、雑誌、そしてWebメディア編集者として勤務した後、現在はフリーランスの編集者・ライターとして、出版社から依頼を受けて仕事をしています。

この「カルダノ憲法の日本語訳」では、これまでの経験とノウハウを活かして慎重に日本語化していきます。

このプロジェクトに賛同いただける方は、ぜひ応援よろしくお願いします!
皆様の「SPO委任」や「DRep委任」が、CoffeePoolの力となります。ぜひ応援よろしくお願いします😊↓

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hix_coffeepool — DRep情報
🎯 Motivations(動機)
私がカルダノのガバナンスに参加する理由は「子どもたちに透明性の高い社会を残すため」です。カルダノのエコシステムが、より自由で公正な社会を実現するための基盤となれるよう、透明性と分散化を重視した視点で投票を行います。ブロックチェーンの本質は、独立した分散型のエコシステムであり、カルダノはこの原則を最も確実に実現したプラットフォームであるべきです。それを実現するシンプルな答えとして、カルダノにおける「小さなガバナンス」を目指します。分散化を徹底し、ガバナンス予算を最小限にとどめることで、市場原理を尊重した自由なエコシステムが実現できます。この精神をもとに、完全に独立した立場から、忖度のない投票を行っていきます。I participate in Cardano governance "to leave a transparent society for our children." I vote with a focus on transparency and decentralization, so that the Cardano ecosystem can serve as the foundation for a freer and more just society. The essence of blockchain is an independent, decentralized ecosystem, and Cardano should be the platform that most reliably embodies this principle. The simple answer to achieving this is "small governance" in Cardano. By thoroughly pursuing decentralization and minimizing governance budgets, we can create a free ecosystem that respects market principles. Based on this spirit, I vote from a completely independent position, without compromise.
📌 Objectives(目標)
透明性の高い社会を実現するため、最小限のガバナンス支出、DRepにおける委任上限の導入、DRep委任期間の創設など、さまざまなガバナンス改善提案を行っています。投票においては、コミュニティとの対話や意見交換をもとに判断を行い、可能な限り論拠を提出しています。判断においては、憲法だけでなくコミュニティとの連携におけるプロセスの適切性を重視し、小さなガバナンスの精神を第一に、長期的な視点から忖度のない判断を行なっていきます。coffeepool.jpでは詳細な解説記事を公開し、わかりやすい情報発信を心がけています。カルダノは壮大な実験です。失敗から学び、改善を重ねることで、人類初の大規模分散型ガバナンスを成功させることができると信じています。To achieve a transparent society, I propose various governance improvements: minimal governance spending, delegation caps for DReps, and term limits for DRep delegations. In voting, I make decisions based on dialogue and exchange with the community, providing rationale whenever possible. I prioritize not only the constitution but also the appropriateness of processes in community collaboration, adhering to the spirit of small governance and making independent judgments from a long-term perspective. I provide accessible information through detailed articles on coffeepool.jp. Cardano is a grand experiment. By learning from failures and continuous improvement, I believe we can succeed in humanity's first large-scale decentralized governance.
🎓 Qualifications(資格・経歴)
カルダノSPOであり、フリーランスの編集者/ライターです。大手出版社で書籍・雑誌・ウェブメディアの編集者として勤務した後、2018年からADAホルダーとなり、2021年からステークプール「CoffeePool」をスタート。Webサイト「coffeepool.jp」では、プロの編集者目線から、初心者向けにカルダノのさまざまな情報を提供。また、CIP1694開始時には、暫定憲法委員会の一人として憲法判断を執行。SPO、編集者、元憲法委員として、これまでカルダノのネットワーク、コミュニティ、ガバナンスなど多方面で貢献しています。I am a Cardano SPO and freelance editor/writer. After working as an editor for books, magazines, and web media at a major publishing company, I became an ADA holder in 2018 and started the stake pool "CoffeePool" in 2021. On my website "coffeepool.jp," I provide various information about Cardano for beginners from a professional editor's perspective. When CIP-1694 began, I served as one of the interim Constitutional Committee members, executing constitutional judgments. As an SPO, editor, and former Constitutional Committee member, I have contributed to Cardano across multiple areas: network, community, and governance.


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