パートナーチェーンがカルダノに登場【全文和訳】

2023年11月にドバイで開催されたカルダノサミット2023にて、カルダノに新たな「パートナーチェーン」という構想が発表されました。
IOGでは、この発表後にブログで解説記事を掲載。将来のカルダノに実装予定とされる「ミノタウロス」と、ブロックチェーンの連動性を高めるツールキット「Subsrate」を活用することで、ブロックチェーンの相互運用性を新たな領域に到達させるという、壮大な計画が語られています。
本記事では、このIOGブログをわかりやすい日本語で全文翻訳します。

パートナーチェーンがカルダノに登場

Input Output Global、独立した相互運用可能なレイヤー1のブロックチェーン・ネットワーク・ファミリーの繁栄を可能にする、新たなフレームワークを発表

筆者：マイク・ウォード　IOGチーフ・プロダクト・オフィサー

今週（2023年11月3日）のカルダノ・サミット2023で、IOGの創設者でありCEOのチャールズ・ホスキンソンは、「パートナーチェーン」を構築するための新しい方法を提供する新しいフレームワークの概要を説明しました。カルダノの根本的な強みや、エキサイティングな新技術を利用することで、開発者やバリデーターが独自に最適化されたパートナーチェーンを構築することが可能になります。

「モジュール式ブロックチェーン技術」と、これまでカルダノにおいて実証されてきた安全性、流動性、信頼性を組み合わせた「パートナーチェーン」によって、新たなブロックチェーンを構築し運用する方法に革命が起きるでしょう。
パートナーチェーンは、ネットワークや技術スタックに閉じ込められることなく、これらのメリットを得ることができます。

「なぜカルダノを構築するのか」と題したホワイトペーパーと、オリジナルの「ホワイトボードビデオ（現在200万回以上視聴）」の公開後、「相互運用性（インターオペラビリティ）」と「拡張性（スケーラビリティ）」は、常にカルダノの使命の中核をなしてきました。パートナー・チェーンは、カルダノの当初のビジョンを継承するものです。

カルダノは「カルダノ決済レイヤー（CSL）」と「カルダノ計算レイヤー（CCL）」が分離されて設計されています。CSLは堅牢でスケーラブルである（拡張性がある）ことが証明されており、究極のクロスチェーン決済レイヤーを形成しています。パートナー・チェーンを持つネットワークは、モジュラー・フレームワークと既存のコンポーネントを活用して、独自のCCL（計算レイヤー）を構築できますが、チェーン間の決済にはCSLを活用します。
「Midnight」 は、最近発表されたIOGのデータ保護に特化したブロックチェーンですが、この新しいフレームワークを実装する最初のパートナーチェーンとなります。

モジュラーフレームワーク

カルダノ・サミット2023におけるチャールズ・ホスキンソンの講演内容は、世界中の学者やエンジニアが4年以上にわたって研究開発してきたものの集大成であり、広範な技術的探求と実験でもあります。IOGは、実績のあるオープンソースのモジュール式フレームワークである「Substrateスタック」（開発元：Parity Technologies）をベースとして、カルダノへのトラストレスな（信頼不要の）統合によってこれを拡張。パートナーチェーンの可能性を解き放つことができるように、編集可能なSubstrateのコンポーネントセット（通称パレット）を提供しています。

IOGは長い間、Substrateチームと共通認識を抱いており、彼らが開発するモジュール技術に敬意を払ってきました。具体的には、（ポルカドットの）BABEプロトコルはウロボロス・プラオスを利用しており、基礎研究に対する信頼を共有しています。Minotaur（ミノタウロス）は、パートナーチェーンがコンセンサスを行うために、特定のリソースの組み合わせを活用できるようにするという要件を満たしています。したがって、Sustrateのオープンソースコードは、カルダノのスタックと非常に補完的であり、相互運用可能なブロックチェーンの世界という共通のビジョンに沿ったものとなります。
IOGは、世界中にいる研究者、エンジニア、開発者のチームを活用し、新しいパートナーチェーン・フレームワークの開発に多大な投資を行っており、ブロックチェーン分野全体でオープンソースの協力的な機会を追求することを楽しみにしています。

パートナーチェーンは、相互運用性、セキュリティ、トークノミクス、ロックインといった既存のモジュール型ブロックチェーンソリューションの主要な問題を解決します。パートナーチェーンによって、カルダノは究極の決済レイヤーとなります。カルダノのSPOによって安全性が提供され、ミノタウルスのマルチリソース（PoWとPoSの組み合わせなど）によるコンセンサス・プロトコルは、他ブロックチェーンエコシステムのバリデータがコンセンサスへ貢献することを可能にします。バベル手数料は、新しいネットワークのトークノミクスの問題を解決するだけでなく、SPOがADAによって手数料を受け取ることを可能にします。トラストレスブリッジは、パートナーチェーンをカルダノやそれ以上のチェーンに接続し、リスクのない相互運用性を実現します。

パートナーチェーンは、相互運用性とブロックチェーンネットワークへの新たなアプローチであり、Cardanoによって支えられています。IOGのソーシャル・チャンネルをフォローして最新情報を入手してください。このフレームワークがさらに開発・実装されるたびに、その詳細を共有していきます。

（了）