【超訳チャールズ・ホスキンソン(05)】「第3世代ブロックチェーンの意味とは」

カルダノ情報

2021/02/17 に公開された、「Dave Lee Investing」のデイヴ・リー氏による、チャールズ・ホスキンソン氏のインタビューを翻訳しました。(非常に濃い内容のため、連載記事として翻訳を進めていきます  第4回はこちら

――カルダノを始めた理由、最も達成したいこととは?

まずは、何十億人もの経済的なアイデンティティを持てない人々の問題を解決することです。アイデンティティや価値の保証などを、あらゆる場面で中央管理者が介入する必要のないシステムを構築することです。
「マイクロソフトやアップル、グーグルなしで、何十億人が使えるシステムを構築しよう」と言っても、これは非常に難しいことです。
そこで私たちがまず考えたのは「自分が使うよりも多くのものを提供すること」の必要性です。例えば、家族や友達とのパーティに行くとき、私たちは自分が食べる以上の食べ物を持参するでしょう。何人来ようと大丈夫なくらいの食べ物を用意しますよね。
現在の暗号通貨の多くは、食べ物を増やさずにテーブルの周りの椅子だけを増やしているようなもので、人が来れば来るほど食べ物が少なくなっているような状況に陥っています。これは何億、何百万人、何十億人といったスケールで利用可能な持続可能なシステムとは言えません。現にイーサリアムではトランザクションの増大による手数料の高騰が問題になっています。1ドルを移動するのに50ドルが必要だなんてクレイジーな話です。
これはバグではなく、プロトコルをどう運営するかというシステムデザインの問題なのです。本当に確かなプロトコルを構築するということはスーパーハードな作業なのです。
そのためには反対意見を受け止めなくてはいけませんし、これを適正化する中央管理者がいないということも受け止めなくてはいけません。そのため私たちは6年を費やして95の論文を書き、学会で「何が可能で、何が不可能なのか」を研究してきました。
グーグルなどについても多くの研究を行い、グーグルとは違ったやり方でこのようなことができないかを考え抜いてきました。
もう1つの視点では、もし何十億人もの利用者を想定するとしたら、ユーザーに寄り添っていかなくてはいけません。そのためには、ユーザーの声を反映させる管理システムの構築が必要になります。そのためには参加者に報酬を払うシステム、投票システム、ハードフォークのようなものを運営するシステムなどが必要となります。ビットコインのようなシステムではこれらを解決することができませんでした。
そのためこれが、ビットコインから脱却するべきある種のチェックポイントとなるのです。
また、現在8000種類もある暗号資産と、現状の「レガシーな」金融システムとが両輪で動く必要があります。
Wi-Fiを考えてみてください。Wi-Fiの規格に縛られているのは、Wi-Fi製造者だけです。アップル製のスマホだからアップル製のルーターでなくてはつながらない、グーグルのスマホだからグーグル製のWi-Fi、といったことは発生しません。
特に誰が決めたわけでもありませんが、事実、Wi-Fiこそが真の宗教だと言えるかもしれません。Wi-Fiは北朝鮮でも、イランでも、イスラエルでも、日本でも韓国でも中国でも、ロシアでもアメリカでも使うことができ、スマホに接続することが可能です。
地政学的に、このようなことが起きているのはとんでもないことなんですよ。
地球上で私たち人類が手にした信仰の真実とは、BluetoothとWi-Fiなんです。
BluetoothとWi-Fiのように、私たちがどのようなシステムの上にいようとも共通して活用できるためには、別々のシステムの間をブリッジできる存在とならなくてはいけません。
どのような暗号通貨であれ、「第3世代」を名乗る以上はこの3つの要素を持っていなくてはいけません。

・システムのユーザーが自分たちが消費するのと同じくらい生産し、安定して何十億人という規模へと拡大する。
・世界の仕組みの違いを乗り越える「Wi-Fi的な瞬間」をもたらす
・システムスケールの拡大を支えるガバナンスシステム。

これがなくては、スケール拡大に追いつけず粉々に砕け散ってしまったり、ある一定レベルで成長が止まってしまうでしょう。
そこで我々が、それを作り上げましょうと活動しているのです。世界で最も安く、最も優れたプロトコルを作り、世界の経済的なアイデンティティを保証します、と。そこで私はエチオピアに行き、マイクロエコノミクスやマイクロ保険を提案しています。もちろん、アメリカでも私たちのプロトコルが最も優れているでしょう。EUでも中国でも、世界中の至る所でも、お金を借りたい人、利益を生み出したい人にとって最高のシステムです。
私自身もこれでケーキを食べたり自分の人生の目標を打ち立てたり、アフリカや東欧や東南アジアを旅したりするでしょう。
もちろん、誰でも、フォーチュン500企業でもこのインフラを活用して同じようなことができます。そして、彼らの成功は私の成功となるのです。それは本当に素晴らしいことだと思います。

――第3世代とおっしゃいましたが、ビットコイン、イーサリアムやポルカドットとの違いは?

まずポルカドットは、イーサリアムの元CTOであるギャヴィン・ウッドが、この前「f2」へのアップグレードを発表したと思いますが、「第2.5世代」だと思います。そこまで野心的なアップグレードだとは思いませんが、実用的な要素が魔法のように盛り込まれていて、彼らのエコシステムに限って言えば素晴らしい物だと思います。 2、3年後には、どのようにして次のレベルへと進むのかを考える必要があるでしょう。
カルダノに限ってはそこまで潤沢ではなく、活動を開始した時点ではイーサリアムもテストネットが始まった程度の状況でした。
私がイーサリアムのCEOだったとき、すでにイーサリアムのオリジナルヴィジョンがありましたが、カルダノではさらに原点に立ち返って、さらに先へと進めるために1980年代に敷かれたシステムについて研究し、「ブロックチェーン(GKLモデル)とは何か?」という論文を書き、これは900以上の引用がされ、暗号通貨業界で最も参照された論文の1つとなっています。この論文では「安全な台帳システムとは何か?」ということをまとめただけに過ぎませんが、イーサリアムとビットコインの会計モデルについて詳しく研究しています。
この研究の中で判明したのが、サトシは多くの部分で正しく設計していたのですが、ビットコインを構築した人物あるいはチームに、しっかりとした科学的知識が足りなかったことがわかります。もちろん、誰しも全ての分野で専門家であることはできません。
そのため、サトシが残したものから、さらに大きく改良することが可能だと確信したのです。そしてそのとき、私たちはイーサリアムが挑戦しようとしていることと同等、もしくはそれ以上のことを、より長期的な時間軸で構築できると確信したのです。
それの良い例が、先ほどの会計モデルです。

ビットコインは「UTXO」、イーサリアムは「account based モデル」という会計モデルが使われています。account basedモデルでは、ネットワーク上で行われている全ての事象を感知していないといけませんが、UTXOでは、自分のパートしか考える必要がありません。分割、複製や分配といった観点ではUTXOの方が遥かに優れています。

問題は、UTXOはスマートコントラクトに対応して作られたものではありませんでした。そこで私たちは「UTXOを拡張し、スマートコントラクトを搭載できないか」と考えたのです。
私たちだけでなく、blockstreamやイタリアの研究チームによるbitmlなどもそうです。そうした優れたアイデアが生まれた後、私たちが2年前にICFP(International Conference on Functional Programming)に発表したのが「extended UTXO(拡張UTXO)」です。これによって、ビットコインが達成したものに加えてスマートコントラクト、証券資産、リソースコストの削減、容易な時間分割などが可能になり、これらを比較した確かなデータを取ることもできました。
イリノイ大学の有名な研究者が書いた「prism」という論文では、「分割型PoW」というプロトコルを、イーサリアムとビットコインの両方で動かして見た結果、ビットコイン上で最適化した場合には1万倍の速度向上が得られましたが、イーサリアム上で最適化した場合には100倍程度の向上しか得られなかったという結果となりました。
つまり、そのような観点からもUTXOの方が容易に運用が可能だということです。ビットコインのモデルには多くの優れた点があったのです。
私たちのウロボロスのモデルでも同様ですが、私たちもPoWの確率論的な結論は支持していますし、400万倍もエネルギー効率が良いシステムとなっています。
つまり、私たちはビットコインの「壊れた窓」を修復し、さらに次の世代へ引き継ぐ準備も整っています。

サトシがもし、このような深いインサイトを持っていれば、おそらくここまで成し遂げていたでしょう。別の分野で私たちが取り組んだものとして、ガバナンスシステムがありますが、これについてサトシが発表したものから判断するに、彼はあまり興味がないようでした。
現在では、私たちカルダノとテゾスくらいしか取り組んでいるチームはいないと思われます。ダッシュも素晴らしい仕事をしていますが、分割やスケールなどより人間との対峙というのが最も厄介です。プロトコルは数学との戦いですが、人間は理性的ではなく主観的です。気まぐれな意志でトランプを選んでしまったりするわけですから(笑)
システムによってそれを防がなくてはいけません。

——続く

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