カルダノ(ADA)ステークプールの選び方-プール運営者がやさしく解説

カルダノ情報

こんにちは! カルダノのステークプール「COFFE(CoffeePool☕️)」管理人です。
一介のADAホルダーだった私がステークプールを運営するようになり、ホルダー時代とはステーキングに関する考え方がガラリと変わりました。
「委任先の選び方がわからない」という方もまだまだ多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「運営歴2年のオペレーター目線で見た、委任先の選び方」を紹介したいと思います。

カルダノにおけるステーキングとリワードのルール

カルダノのプルーフ・オブ・ステークは、ネットワーク上のステークプールに対して「ステーク量(Active Stake)」と「委任量(delegation)」を合計したADAの量を基準に、「自信のステーク数と委任量の合計値が多いほどブロック生成を割り当てる」というルールとなっています。
ブロック生成の割り当ては、5日間の「エポック」を1つのサイクルとして、カルダノのPoSアルゴリズムウロボロスによって自動的にスケジュールが組まれます。各エポック終了の36時間前(1日と12時間)になると、その「1エポック前のステーク量(Active Stake)」をもとに、「多いプールほど多く、少ないプールには少なく」、次のエポックにおけるブロック生成のスケジュールが決まります。
エポックが切り替わると「その時間にブロック生成を担当するプール」にブロック生成権が渡され、そのタイミングで入力された取引情報をブロックに書き込まれます。このブロックを他のステークプールへと伝搬するとブロックが認定され、「ブロック生成した」となります。
簡単なイメージとしては「山手線の時刻表」のようなもので、車掌であるステークプールが、あらかじめ決まった時刻の電車(ブロック)を走らせ、そこに乗客(取引情報)を乗せて目的地に届けば完了となります(乗客がいなくてもOK)。
各エポックで「ブロックを1つでも生成したプール」が、そのエポックにおけるステーク報酬を受け取る権利が与えられます。

ホルダーの皆さんが委任をするときにやりがちなこと

オペレーターを初めたばかりのときに痛感したのが、イチホルダーだったときに「委任先の選び方がまったく分かっていなかった」ということです。
私の場合、ダイダロスウォレットで表示されるランキングを見て「マージンが低くて飽和してない、ランクが高いプール」を優先して選び、委任した後の1〜2エポック後の報酬を見て「このプールはちょっといまいちだから、次のプールにしよう」と、別のプールへ移動していました。
しかし、こういう選び方は完全に間違いでした(笑)
プール運営を開始して気づいたことですが、プールの運営状況はさまざまな要素で読み取ることができ、それを使うことで自分のスタイルにあったステーキングライフを楽しめるのです。

「ダイダロスランキングだけ」で決めるのはNG!

ダイダロスウォレットのランキングは、一見すると優秀なプールを簡単に選べる、役に立つ機能です。
しかし、実はこのランキングは、リワード報酬とは無関係に設定されており、これを参考にしてもリワードは増えません。また、上位のプールに委任が集中してすぐに飽和点に達してしまう傾向があるため、多くのプールオペレーターが「委任の集中を招いている」と問題視しています。

I think a major contributor are Daedalus wallet rankings. It’s intuitive for folks to see high ranks and just choose out of the top rather than sift through 100s of pools.

Lack of multi-pool delegation from a single wallet also contributes to lack of decentralization.
— Beaver • ビーバー (BEAVR) Cardano Stake Pool (@PoolBeaver) January 27, 2021

↑「大きな問題なのが、ダイダロスのランキングです。どうしても、100位のプールよりもランキングがトップのプールの方が心象が良くなってしまいます。1つのウォレットから複数の委任ができないことが、分散化の弊害になっています。(BEAVR)-COFFE和訳
ダイダロスウォレットを使って委任する際は、ランキングに拘らずに選わらずに、プール情報をしっかりと見極めることがROA(₳配当)を多くゲットするための秘訣です。

ブロック生成が多いからといって、配当が多いわけではない?

カルダノのステーキングでは、基本的に「自分の持つ保有量分の報酬」が保証されています。そのため、どんなにブロックを多く生成しても、基本的に割り当てられるリワードの量は変わりません。
そのため、同じマージン率のプールであれば、委任量が多くても少なくても、ブロック生成数が多くても少なくても、報酬の量は変わりません。
ただ、各エポックごとに割り当てられるブロック生成数が毎回3つ程度以上あれば、一定の報酬が得られると考えて良いでしょう。

委任量が多く、飽和点から遠いプールを選ぶ

ステークプールを選ぶ際は、「そのプールが安定してブロックを生成しているか」は大きなポイントです。ここで気をつけたいのが「委任量が多いプールの方が、ブロック生成数が増える」という点です。
どんなにプログラミングの腕が良いオペレーターでも、委任量が少なければエポック内の生成数が「ゼロ」になることもあります。
小さいプールは(委任量が300万ADA以下)、ブロック生成のチャンスが安定しません。やはり、委任量が大きければ大きいほどコンスタントにブロック生成ができます。
これまでのデータから、およそ300万ADA以上の委任があるプールであれば安定したステーキング報酬が得られるということがわかっており、その中でもマージンが低めのプールであれば高いステーキング報酬を得ることができるでしょう。
一方で、カルダノでは1つのプールに委任量が集中することを防ぐため、Saturation(飽和点)が設定されています。委任ADAの量が増えすぎ、飽和点を超えてしまうと報酬が激減してしまいます。
そうなってしまうと利益が大きく損なわれるので、「委任量が多すぎるプール」も委任候補から排除する必要があります。
結論としては「委任量が多く、飽和点から遠いプール」を選ぶことが「基本方針」となります。

一方で、委任量が少ないものの、技術や志が高いステークプールもたくさんあります。
「報酬よりも、分散化を高めてカルダノの価値を高めたい!」「志の高いプールを応援したい!」という方は、あえて委任量が少ないプールを選ぶという戦略もあります。

オペレーターがオススメする「委任プールの選び方」

しかし、単純に「委任量が多く、飽和点から遠いプール」という見方だけでは、なかなか適切にプールを絞ることはできません。
プール選びの大きなポイントとしては、プール情報サイト「pool.pm」「cexplorer.io」や「pooltool.io」「cardanoscan」などのデータが大きな参考になります。
プールオペレーターであればこれらのサイトを必ず毎日確認していますが、一般ホルダーの方にはまだまだ認知されていないのではないでしょうか。
(特に、pooltoolは、日本円での税金計算が一発でできるので要チェックです!!!)
しかし、本サイトに掲載されている情報は専門用語が多く、一般ホルダーの方にはちょっとわかりづらいので、各指標の読み方を紹介します(下記はCexplorerの指標)。


・Saturation (飽和点): 委任量の飽和点までの割合。飽和点に達する(100%になる)と、すべての委任者への配当が大きく減少します。
・ROA(M): Return Of Ada。月間成績から見た「配当割合」。数値は年間利回りに計算し直しており「ここ1ヶ月でのパフォーマンスが続いた場合の年間の利回り」を意味します。
・ROA Lifetime: このプールの全データから算出した年間利回り。基本的にこの値が高いプールが狙い目です。
・Live Stake: 現状での委任ADA総量。委任されたADAは即座にそのエポックに影響を与えるわけではありません。そのため、将来的に有効になる委任ADAの総量を意味します。
・Active Stake: 現在のエポックで有効となる委任ADA量。現行のエポックでは、この値を基準にしてブロックリーダーが割り振られていることを意味します。(LiveよりActiveが多い=委任が減っている、Liveの方がActiveより多い=委任が増えている)
・Estimated Blocks in Whole Epoch: 各エポックでの予想ブロック生成数。各エポックで最低1個は生成しないと報酬が得られないため、確実に報酬を得たい場合は、基本的に2個以上のプールを選ぶとギャンブル要素が少なくなります。
・Block Trend: 直近のブロック生成実績です。できるだけ安定して生成している方が、今後の運営も期待できると考えられます。
・Lifetime Blocks: このプールがこれまで生成したブロック数です。多ければ多いほど、委任数が多い期間が長いプールだと言えます。

安定報酬のカギは「委任量250万ADA以上」のプール

「ちょっと数値が多すぎてむずかしい!」という方のために、手っ取り早く選べる方法を紹介します。
上のデータにある「BPE(各エポックでのブロック生成数)」と「Stake(ステーキング量)」の関係を見てみましょう。
このデータからは、大まかにいって委任量が数百万ADA以上のプールであれば、各エポックで1〜2ブロックを生成しているということが見て取れます。
また、当プール「Coffee Pool」では2021年2月6日時点で、270万ADAの委任をいただいていましたが、Adapools(旧cexplorer)の「各エポックの予測ブロック生成量」で1個以上が88%となっていました(下図 Epoch246、おかげさまで2022年12月現在は、平均29個程度ブロック生成を行うことができるプールとなっています)。

  

この数値から、250万ADA以上程度の委任があれば、比較的安定してブロック生成ができるということができます。
毎エポック(5日間毎)でブロック生成できるプールであれば、毎エポック(5日間毎)に報酬を得ることが可能となります。
一見すると、大きいプールに委任したくなるのが心情ですが、小さなプールには「飽和点までかなりの余裕がある」というメリットもあります。

ROAの計算方法の考え方は?

ステークプールの運営経験を重ねながら、他のプールなどのデータを分析したところ、ROAにおける1つの仮説が浮き彫りになりました。
各ステークプールの運営データから、ROAの計算式について分析したところ、次のようなことがわかりました(2021年の数値であり、現在はこれより少なくなっています)

ROAの(ざっくりとした)計算方式
①LUCK=各エポックのブロック生成数÷予測ブロック生成数
②ROA=約5.35×LUCK

長期的には、大体ROA=5.35の範囲におさまる?

これをわかりやすくするために、次のプールの実績データを見てみます。

【あるプールのブロック生成数とROAの実績】
次の表は、あるプールのROAのデータから、基準点となる「係数X」を割り出したものです。

エポック

ROA

生成数/予測生成数

LUCK

係数X

245

4.419%

17 / 20.4

83%

5.324%

244

5.595%

20 / 18.9

106%

5.278%

243

5.766%

20 / 18.5

108%

5.339%

242

6.454%

22 / 18.3

120%

5.378%

241

6.04%

20 / 17.8

112%

5.393%

執筆時(2021年のリワード率の場合の計算です)

このデータは、プール情報サイト「adapools.org(旧cexplorer)」で確認することができますが、ROAは「ステーク量に対する予測生成数を基準に、そのエポックでどれだけ生成したか」で決まるということが言えるようです。

つまり、上の表でエポック245では、
LUCK=そのエポックのブロック生成数÷予測生成数=17/20.4=83%
ここで、LUCKがROAと何かしらの関係があると仮定すると、
ROA(4.419)=LUCK(83%)×係数X
という仮定ができます。
ここから発展させて、
係数X=0.83÷4.419=5.324
という仮定が成り立ちます。

この計算式をもとに、各エポックでの係数Xを計算すると、上の表のようになります。
この平均値をとると、係数Xの平均が5.34程度になっています(この係数は年間で減少傾向のようです)。
他のプールのデータをいくつか取りましたが、ざっくりと係数はこの辺りにまとまるようでした。
マージンなどの関係性などを含める必要性がありますが、各エポックにおけるリワードの量は、「ある係数Xを基準に、ステーク数に応じた生成数に対して、何個生成したか?」が大きな要素となることが言えます。

長期目線だと、実はROAは変わらない?

このROAの計算式から何がわかるかというと、「長期目線だとROAは大体同程度に落ち着く」と考えることができそうです。
・小さいプールの場合
ブロック生成数=2、予測生成数=3の場合、LUCKは67%、ROAは3.5 となり、一見大幅に落ちてしまいます。しかし、
ブロック生成数=4、予測生成数=3であれば、LUCKは133%、ROAは7.11 となります。
ここでのROAの平均値は5.30 で、おおよその基準である係数X(5.34)に近い値になります。
(係数の値は、マージンや固定費、カルダノ自体のリワード率の減少化により上下する可能性あり。現在のROAは4弱が一般的)
このようにして考えると、大きいプールでも小さいプールでも最終的な年利は近い値になる、ということができます。

参照:adapholio

その証拠として、adafolioのデータを見てみましょう。上の図では、上軸がROS(リワード率)、横軸がステーク数(Active Stake)となっています。これを見ると、ステーク数が300万(300M)以下のプールではリワード率の変動が大きくなっていますが、それ以上のプールであれば同程度のリワード率に収束していくことがわかります。
委任量が低めのプールでは、最低固定費(340ADA)が総報酬量の割合の中で大きくなるため、利率が低くなる傾向がありますが、ある程度の委任量があり真面目に運営しているプールであれば、リワード量は同程度であり、差があるとすればマージン率による、と言えそうです。

保有量に合わせて「委任戦略」を考えよう!

ROAの検証では「長期的には同程度のROAに落ち着く」という可能性を紹介しました。
では、ROAをどのように活用するかというと「継続的に一定期間、健康に運営しているか」ということをみることができます。
プールを運営してみるとわかりますが、ブロック生成数は「ステーク量に応じてランダムに割り振られる」ため、プール運営側の努力があまり反映されません。努力によってブロック数が増えてしまうと、ビットコインのPoWのようになってしまい、処理能力競争による電力増大や集中化が起きてしまうためです。
つまり、プール運営者の頑張りにかかわらず、そのエポックでの実際の生成数は増えたり減ったりします。(運営者のミスで生成のタイミングを逸してしまったりすることはあります)
そのため、どうしても各エポックでROAは増えたり減ったりします。
ROAから何が言えるかというと、「長期間しっかり運営していれば、ROAが係数に近づいて安定してくる」ということです。
つまり、極端にROAが高いプールは、
・設立してからまだ2、3ヶ月以内の新しいプール
極端に低いROAのプールは、
・飽和状態で利率が悪いプール
・まともに稼働していないためROAが低いプール
・マージンが高すぎるプール
という見方ができるかもしれません。いくらROAが高く手数料が多いプールでも、委任後に飽和点に達してしまえば報酬はグッと下がります。
これらを想定に入れながら、どのような委任先を選べば良いかを考えてみましょう。
もちろん、あなたの保有量や投資スタイルによって、ステーキングのプランも変わります。

「自信の保有量」に合わせた委任先の選び方

以上を踏まえると、人によっては「自分が委任することで何が起こるか」を念頭に入れて委任をする必要が考えられます。巨大ホルダーの方であれば自分の委任によって飽和点に達してしまう可能性があり、少額ホルダーの方であればある程度自由に選ぶことが可能です。

 ・1〜数万ADA単位のホルダー 

比較的自由に委任先を選べる保有量です。飽和直前のプールでなければ、自分の委任によってプールが飽和点に達するリスクはほぼありません。長期目線で言えば飽和率90%のプールは避けるべきですが、飽和直前のプールでなければどのプールに委任しても安定した報酬が得られるでしょう。

 ・数十万ADA単位のホルダー 

委任によって飽和点に達するようなリスクは少ないものの、短期的には80%に近いプール、長期的には60%以上のプールは避けた方が懸命です。小さなプールであれば委任によってブロック生成に影響を与えることができるため、短期的にも安定した報酬が得られそうです。100万以下のプールに委任すれば、大きな支援効果があります。

 ・100万〜200万ADA単位のホルダー 

委任によって将来的に飽和点に達するリスクが比較的高くなるため、60%以上のプールは避けましょう。小さなプールに対しては、委任することでブロック生成が劇的に向上するため、100万以下のプールであっても「0ブロック」のリスクが大幅に減少し短期的な報酬量も安定します。

 ・300万ADA以上のホルダー 

委任によって飽和点に近づくので大きいプールへの委任には注意が必要です。また、1人でも安定したブロック数の支援が可能になるため₳10M以下の小さなプールでも短期報酬が安定します。真面目に活動しているプールであれば、指標を気にせず委任しても長期的に安定したステーキングができるでしょう。

やっぱり、「長期的な信頼」がポイント

以上のことから考えると、やはり
長期的にしっかり運営してくれるか
が大きなポイントだということができそうです。
ステーキングを始めたばかりのときは、どうしても短期的なROAにこだわり、「ダイダロスの上位プール」や「ROAがやたらと大きいプール」に委任しがちかもしれません。しかし、長期的にみると、次のようなことが言えそうです。
・ダイダロス上位→人気集中で飽和点に達する(報酬が減る)
・ROAがやたらと高い→最終的には係数5.3付近に落ち着く
そのため、最終的には「数字ではなく信頼性」が重要だということができそうです。
ステークプールを選ぶ際は、次のような点を基準にするのが良さそうです。

・応援したいと思えるプールか。
・長期にわたってステークプールを安定稼働してくれるか。
・どんな相場でも折れない信念を感じるか。
・情報発信をしっかりしているか。
・飽和点に近づいたらアラートをしてくれるか。
・マージンが適切か。

さらにこの観点から、さらに「タイプ別ステークプールの選び方」も紹介していますので、こちらもチェックしてみてください。

取引所に預けているだけでは、Cardano(カルダノ)に秘められた「楽しさ」を味わうことができません。

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