カルダノの分散型投票アプリ「Catalyst」の全貌 【チャールズ・ホスキンソン】

カルダノ情報

2021年3月1日、カルダノのMaryへのハードフォークの前に、チャールズ・ホスキンソン氏が動画を投稿し、新たな機能「Catalyst」の目的について語りました。
前半部分を要約しお伝えします。

——(以下、超訳)
ビットコインと比べ、カルダノは非常に複雑なデータが組み合わされて構成されています。さまざまなメタデータ、コントラクトシステム、アイデンティティシステム、そしてトランザクションシステムなどです。
このようなシステムは非常に複雑で、プロトコルが肥大化しているため、(ビットコインのような)シンプルなガバナンスシステムでは運営することが難しくなります。
もちろん、このようなシステムでは非常に多くのメンテナンス作業による調整も必要となります。
ここで問題なのは、コンセンサスを取らずにシステム変更を繰り返すことで、信頼性が低下してしまうことです。

では、こうした問題はどのように解決すべきでしょうか?
これこそが、「第3世代ブロックチェーン」の最大の課題です。私たちは、このような複雑化・肥大化したシステムの全てを分散化し、全ての権限を皆さんに解き放つことを目指しているからです。
特に、今後ユーザーが増大し、何百万人、何十億人が使うシステムへと変貌した際、このスケールをマネージメントすることは非常に困難になります。
どのようにレギュレーションを設置するべきか? 地理的な問題はどうするのか?
ビットコインの場合は、システムのスケールが増えた場合には、価値が上がります。しかし、それに応じて変更作業が制限されてしまいました。
なぜかというと、開発者やユーザー、マイナーなど多くの人間が集まるようになり、違った意見を話すようになることで、プロトコルは安定しましたが膠着化してしまいました。

では、どのようにこれを解決するべきでしょうか?

ビットコインのようにシンプルな仕組みにしておけば話は簡単ですが、私たちはのプロトコルは、コントラクトモデルやサイドチェインモデル、新しいコンセンサスモデルを追加しようとしています。こうした要素を急速に進めようとすると、どうしてもバグが発生してしまうものです。
このような問題は、どんなモデルのプロトコルを作りたいかによります。

ビットコインとは異なり、カルダノの場合は、ガバナンスを完全に解放することを選択しました。
そのために、これらのシステムが必要となると考えました。

①アップデートシステム
②コンセント・ドリブン・プロセス
③ブループリント(設計図)
④意味のある参加方法
⑤ユニバーサルであること

ユニバーサルであることとは、システム変更がある場合に、それが能力的に可能であるかや、哲学があるか、その時の参加者が十分に参加可能かどうかといった要素です。
これらが、ガバナンスに必要であると考えました。
このガバナンスを実現するために、私たちは暗号通貨のアップデートにおけるさまざまな研究を行い、学説を発表しました。その産物として開発したのが、

ハードフォーク・コンビネーター」です。
これは、「バイロン→シェリー→ゴーゲン」と言ったようにシステムをイニシャライズするたびに、過去のサポートを行いながらも新しい可能性を実現できるスーパーセットです。
これを開発するのは非常に複雑なものでしたが、これを実現するために、さまざまな研究を行いました。
その成果を、「centralized software updates」という論文にまとめ、EUの「Horizon2020」などで発表し、IBMとも共同研究するなどしました。
アップデートシステムについての科学的な下地はすでに出来上がっていたため、ここまでの流れは非常に自信を持って進めることができました。
しかし、システムのアップデートを完全に分散化するためには、「誰が取り仕切るのか」が最も大きな課題となります。①のアップデートシステムを分散化する前に、②~⑤をしっかりと構築しなくてはいけませんでした。いきなり分散化して、皆さんにプロトコルを丸投げしても意味がありません。そこで、委員会を組織して慎重にここまで進めてきたのです。

そこで、登場するのがCatalystです。これは、インセンティブを儲け、現在1万人が登録する参加型の投票システムです。
これにより「カルダノにとって何が良い選択なのか」というKPIを有意義に議論することが可能になり、④を実現することが可能になります。
さらに、⑤の「ユニバーサル」も満たすことが可能です。全てのシステム関係者が関わり、ハードフォークでは「Cardano Improvement Proposals(CIPS)」が必要となることで、システム変更が可能であることが前提となります。
Catalystでは、多くのエキスパートやユーザーが関わり、力の均衡が実現することで、今年または来年には利用可能になり、安定性がありながらもスケーラブルなプロトコルが実現すると考えています。
なぜ、このようなシステムが必要かというと、「ユーザーが増えてスケールが広がるごとに、変化ができない」という状態を絶対に避けたいからです。
そのような状態になってしまえば、今後参入してくる「第4世代ブロックチェーン」と戦うことはできません。
システムは常に成長していかなくてはいけないのです。
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🎯 Motivations(動機)
私がカルダノのガバナンスに参加する理由は「子どもたちに透明性の高い社会を残すため」です。カルダノのエコシステムが、より自由で公正な社会を実現するための基盤となれるよう、透明性と分散化を重視した視点で投票を行います。ブロックチェーンの本質は、独立した分散型のエコシステムであり、カルダノはこの原則を最も確実に実現したプラットフォームであるべきです。それを実現するシンプルな答えとして、カルダノにおける「小さなガバナンス」を目指します。分散化を徹底し、ガバナンス予算を最小限にとどめることで、市場原理を尊重した自由なエコシステムが実現できます。この精神をもとに、完全に独立した立場から、忖度のない投票を行っていきます。I participate in Cardano governance "to leave a transparent society for our children." I vote with a focus on transparency and decentralization, so that the Cardano ecosystem can serve as the foundation for a freer and more just society. The essence of blockchain is an independent, decentralized ecosystem, and Cardano should be the platform that most reliably embodies this principle. The simple answer to achieving this is "small governance" in Cardano. By thoroughly pursuing decentralization and minimizing governance budgets, we can create a free ecosystem that respects market principles. Based on this spirit, I vote from a completely independent position, without compromise.
📌 Objectives(目標)
透明性の高い社会を実現するため、最小限のガバナンス支出、DRepにおける委任上限の導入、DRep委任期間の創設など、さまざまなガバナンス改善提案を行っています。投票においては、コミュニティとの対話や意見交換をもとに判断を行い、可能な限り論拠を提出しています。判断においては、憲法だけでなくコミュニティとの連携におけるプロセスの適切性を重視し、小さなガバナンスの精神を第一に、長期的な視点から忖度のない判断を行なっていきます。coffeepool.jpでは詳細な解説記事を公開し、わかりやすい情報発信を心がけています。カルダノは壮大な実験です。失敗から学び、改善を重ねることで、人類初の大規模分散型ガバナンスを成功させることができると信じています。To achieve a transparent society, I propose various governance improvements: minimal governance spending, delegation caps for DReps, and term limits for DRep delegations. In voting, I make decisions based on dialogue and exchange with the community, providing rationale whenever possible. I prioritize not only the constitution but also the appropriateness of processes in community collaboration, adhering to the spirit of small governance and making independent judgments from a long-term perspective. I provide accessible information through detailed articles on coffeepool.jp. Cardano is a grand experiment. By learning from failures and continuous improvement, I believe we can succeed in humanity's first large-scale decentralized governance.
🎓 Qualifications(資格・経歴)
カルダノSPOであり、フリーランスの編集者/ライターです。大手出版社で書籍・雑誌・ウェブメディアの編集者として勤務した後、2018年からADAホルダーとなり、2021年からステークプール「CoffeePool」をスタート。Webサイト「coffeepool.jp」では、プロの編集者目線から、初心者向けにカルダノのさまざまな情報を提供。また、CIP1694開始時には、暫定憲法委員会の一人として憲法判断を執行。SPO、編集者、元憲法委員として、これまでカルダノのネットワーク、コミュニティ、ガバナンスなど多方面で貢献しています。I am a Cardano SPO and freelance editor/writer. After working as an editor for books, magazines, and web media at a major publishing company, I became an ADA holder in 2018 and started the stake pool "CoffeePool" in 2021. On my website "coffeepool.jp," I provide various information about Cardano for beginners from a professional editor's perspective. When CIP-1694 began, I served as one of the interim Constitutional Committee members, executing constitutional judgments. As an SPO, editor, and former Constitutional Committee member, I have contributed to Cardano across multiple areas: network, community, and governance.


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