ミスリル Mithril

ミスリルは、カルダノのブロックチェーンデータのスナップショット（ある時点でのコピー）を、分散ネットワークによって保存・活用するソリューションのこと。新たにカルダノノード（サーバーのこと）を構築する際にかかる時間を大幅に短縮することができる。

一般的に、フルノードウォレットやステークプール、dAppsなどのサービスをゼロから立ち上げる際、カルダノネットワークと同期しながらブロックチェーンデータをダウンロードする必要があり、現在は2〜3日程度の同期時間を必要としていた。このダウンロード速度を早めるには、すでに構築してあるデータベースから直接データをダウンロードする方法があり、この方法であれば数十分〜2時間程度まで短縮することができる。

しかし、ブロックチェーンデータを第三者からダウンロードすることは非常に高いリスクが伴い、改ざんされたデータをダウンロードしてしまうことで攻撃者と誤認されるリスクがともなう。

この２つの問題を解決するために「確実に正しいと保証されたブロックチェーンデータをダウンロードする」という方法として考案されたのがミスリルである。

ミスリルでは、「Mithril サイナー（署名者）」がブロックチェーンデータを検証し、正しいデータの証明書を発行する。そして、この証明書を「Mithril アグリゲーター（集計者）」が集約し、マルチ署名によってカルダノのブロックチェーンのスナップショットを提供する。（サイナーノードは主にSPO（ステークプールオペレーター）が運営し、委任量に応じて証明書発行の機会が増える仕組みとなっている）。
このようなプロセスを行うことで、複数のサイナーが分散認証した「安全なブロックチェーンデータのスナップショット」を構築することができる。
このようにして作成された「認証スナップショット」をダウンロードすることで、これまで数日かかっていたブロックチェーン同期を20分程度まで短縮することが可能になった。

この技術を活用することで、ステークプールやdAppsの構築にともなう時間的なロスを最小限にすることが可能になる。また、ダイダロスウォレットのようなフルノードウォレットを高速で運用できるようになることが期待されている。

2022年5月末時における、現在のミスリルの詳細と開発状況についてはこちら↓
「Mithril ／ミスリル」とは？｜BCデータの分散型スナップショット【超訳カルダノ】

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